みやも’s blog

よわよわでいこう、ゆるゆるで死ぬ

眠みの翁

意味不明に夜ふかしを続ける日々を送っていると、これまた意味不明の心境になったりするものである。

外が明るくなってからなんとなくエモーショナルな気分になってブログの下書き欄を着々と積み重ねていく。短い文章であればわりかしさらさらと出てくる。たぶんTwitterに張り付いてることで身につけた能力。ポエム的な文は背筋がぞわぞわしてくるくらいには書いていて気色が悪いので公表する気にはならないが、ポエムという響きを聞いて中学時代の話をなんとなく書いてみようかなと言う気分にはなった。中学時代にぼくは剣道部に所属していて、全くもって強いわけではなくつまらなかったが、やめると内申に何か響くんじゃなかろうかとビビって、辞めたいと思うことは多々有っても辞めることはなかった。たぶん辞めても内申には何ら関係は無かっただろうけど真面目だったからそういうのは怖かった。小学生のときに従兄弟が川越高校に受かったと聞いて、親がすごいなぁと褒めていたのを見てじゃあ俺も行こうと決めていた。まあそんなに真剣に勉強したわけじゃないけど落ちたくは無かったから内申とか気にしていた。川越高校での3年間がきっと人生のピークで、これからはだらだらと心臓の拍動が止まるその日まで生きていくんだろう。中学の話をする。世の中には非常に奇妙な趣味をした人間がいるもので、自分に告白をしてくる女がいた。その女は同じ剣道部員だった。中ニで同じクラスになり、時折話した(当時の僕は男女関係なく良好なコミュニケーションを取る能力を持っていた!)。ある日、僕が自分には大した趣味もなく好きな音楽があるわけでもないと話すと、その女はじゃあ私の好きなアーティストのアルバムを貸すと言った。GReeeeNだった。流石に知っていたしそれくらいなら聴くことがたまにあった。ただGReeeeNの曲がアーティスティックなのかは疑問の残るところである。どうでもいいけど。アルバムを受け取って、家で聴くよと言うと、歌詞カードにも工夫があって面白いから見てみるといいと言ってきた。それならその場で見ようかと思い開けようとしたら家に帰ってから見ろと念を押された。なんだこいつと思った。薄々嫌な予感はした。家に帰ってそれを開け、歌詞カードを開いてみるとそこに手紙があった。ポエムのような文章があってどうやら付き合って欲しいということが言いたいようだった。勿論付き合う気などさらさら無いので、残念でした。とだけその手紙の裏に書いて、曲も碌に聴かずに返却した。ポエムには君と出会ってから私の世界は彩りを得た的なことが綴られていた。よくもまあ恥ずかしげもなくこんなものを渡せるなと思った。さすがにそれを写真にとってクラスLINEに投稿するような基地外プレーはしなかったが部活の仲間にはそのことを言った。それ以来その女は部活内でポエマーと呼ばれるようになった。話は移るが昨日図書館に行って小説を借りようと思いついた。北図書には小説のラインナップが少なく、読もうと思っていた朝井リョウの作品はほとんどが貸出中で残っていたやつは既読のものだった。仕方なく村上春樹の『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』という本を借りた。まだ読み終わってないが、その題名を見てそういえば僕は一人の女に色彩を与えた実績があるな、などと思ってにやついた。気持ちの悪い奴だ。

飽きた。オワリ。


色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年 (文春文庫)

色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年 (文春文庫)